SQ-38Dは素晴らしいデザインの管球プリメインアンプです。
一つの完成形かも知れません。
割と中古市場でも外観の綺麗な個体が多いので中古相場から見ても魅力的ですよね。
といっても価格相場は徐々に上がってきています。
2000年当時は良品で15万円ほどだったのが今は大手中古店相場(メンテ済み)が20万円を少し切るくらいに上昇してきています。
入手されるなら良玉を早めに見つけて手に入れておいた方が良いかも知れません。
SQ-38Dはオリジナルと復刻版が有り、価格相場は変わりません。
ちょっと不思議な気もしますが、オリジナルは1964年発売でおじいちゃんなのでメンテを受けパーツ交換されている状態。
復刻版は1998年発売なんですが、なぜか相場は変わらない。
どちらを選ぶか悩む所です。
SQ-38Dオリジナルは10+10W 6RA8PP W470×H175×D275mm 14Kg 定価:58,500円
復刻版は12W+12W 6BQ5PP W470xH175xD275mm 15kg 定価:390,000円
6RA8はNECのが入手出来れば良いのですが難しいようです。
(2A3のような特性を持っている銘球)
6BQ5は互換球も有り心配いらないと思います。
音質はやわらかさが第一印象です。(この点は共通している)
38FDの流れを汲むプリメインなのですが初代と比べると良い意味で大変まろやかです。
しかも太くドシっと安定感のある低音を響かせ、高音はヌケが良く肌合いが素晴らしい。
こう言うのを聞くとやっぱり真空管は良いなって思いますね。
まろやか、やわらかいと言っても例えばピアノのアタック音が潰れてしまっているなどは有りません。
「ふわぁ~」としているのかと言えばそうでは無く、芯はしっかりしているし、伝統のラックストーンを聞かせてくれます。
オリジナルはNEC6RA8のビロードのようなと言われる銘球を使用。
復刻版は出力トランスにOYトランスを使用。これも銘トランスと言われます。
スムースでシルキーなラックスの原点かも知れません。
復刻版はさらに音色をさほど変えずにワイドレンジ化、情報量も増えていますから音源がアナログでは無くデジタル音源なら迷わず復刻版にするべきだと思います。
太く温かい音質でPCオーディオを聞くのも良いものです。
管球アンプは電圧が高いために熱い音が出ると言いますから、ボーカルなど熱気ある声を聞きたいなら良質の管球アンプは是非とも欲しい所。
それから響きの美しさもSQ-38Dの特徴の一つかな。
LUXMAN製品に当然共通しているこのラックストーンなんですが、メンテを受けてパーツを代替え品にしてもしっかりラックストーンなんですよね。
まあ、LUXMANアンプのオーナーさんはその点安心と言うことでしょうか。